macOSでEclipseのバージョンを上げてEclipse 2025-06(Pleiades All in One)を使っていたら以前のバージョンよりフリーズが増えたり、Lombokを使っているクラスのインポート整理がおかしくなったような気がしました。
アップデートしたのに逆に作業効率が落ちてしまうのはかなりストレスです。この記事ではmacOS環境でEclipse 2025-06が不安定になる原因と、実際に試せる対処法を順番に解説します。
この記事でわかること
- macOS+Eclipse 2025-06で起きやすい不具合の種類
- フリーズ・Lombokエラー・検索不具合の原因
- 設定変更から再インストールまで、段階的な対処法
- それでも解決しない場合のダウングレード方法
結論|macOS+Eclipse 2025-06で不安定になる原因と対処法
よくある症状(フリーズ・Lombokエラー・検索不具合)
macOS+Eclipse 2025-06でよく報告されている症状はこちらです。
- Eclipseがハングアップし強制終了するしか手がなくなる(未保存の作業内容がすべて失われる)
- Lombokを使っているクラスでインポート整理(Organize Imports)を実行すると必要なimport文が消える
- 「呼び出し階層(Call Hierarchy)」の検索結果が正しく表示されない
- コード補完(Content Assist)の動作が遅くなったり候補が出なくなる
これらは個別の問題に見えて実は「Eclipseのインデックス破損」「LombokとEclipseの互換性」「macOSのJava環境」という3つの原因に集約されることが多いです。
まず試すべき対処法
効果の高い順に対処法をまとめます。
- Auto Save を有効にする
完全フリーズで作業内容が消えるリスクを減らします。 - Lombokを最新版に更新する
Lombok自体のバグや互換性の問題を解消します。 - ワークスペースのインデックスを再構築する
Eclipseのインデックス破損の場合の対処です。 - eclipse.ini のメモリ設定を見直す
後術しますがEclipseの起動パラメーターの -Xmx を調整します。 - JDKを安定版(Java 21 LTS)に変更
- 別バージョンのEclipseに変更する
macOSでEclipse 2025-06が不安定になる主な症状
Eclipseが頻繁にフリーズする
今回のEclipseのフリーズには3つのパターンがあります。
- パターンA:しばらく待てば回復するフリーズ
バックグラウンドジョブ(インデックス更新やビルド処理)が重なったときに数秒〜数十秒操作不能になるケースです。虹色カーソル(macOSのビーチボール)が出て待てば戻ってきます。 - パターンB:強制終了しか手がない完全フリーズ
操作を受け付けなくなったままいくら待っても回復しないケースです。強制終了するしかなく、未保存の作業内容はすべて失われます。Eclipse 2025-06 + macOSの組み合わせで特に報告が多いようです。
また、発生タイミングが「保存時」「ファイルを開いたとき」のような決まったきっかけがないのが厄介です。 - パターンC:カーソルは動くが文字入力・保存ができない(部分フリーズ)
カーソルはマウスに追従して動くのにキーボードを押しても無反応になるパターンです。Cmd + Sを押しても保存されず、文字も入力できません。
これはEclipseのUIツールキット(SWT)がmacOSとの間でキーボードイベントを正常に受け渡せなくなる「フォーカスロスト」という現象で、プロセス全体がハングしているわけではありません。Eclipseウィンドウの外をクリックしてから再度Eclipseをクリックすると、キー入力が復活することがあります。しないこともあります。
根本的にはSWTとmacOSのイベント処理の相性問題で、Eclipse 2025-06とmacOSの組み合わせで発生しやすいことがGitHub上でも複数報告されています。
Issue #1398 – macOS 14.6以降でEclipseのキーボードショートカットが機能しなくなる
Issue #2621 – Eclipse 2025-06でCmd+Aやキーボード選択が効かなくなる
パターンB・Cともに、Javaプロセス側でメモリ不足やGCの停止が起きているか、macOSのファイルシステムとのI/O処理が詰まっている可能性が高いです。後述するeclipse.iniのメモリ設定見直しとJDK変更が効果的ですが、パターンCはAuto Saveとの組み合わせで被害を最小限に抑えることも重要です。
Lombok使用クラスでインポート整理が壊れる
LombokはEclipseのコンパイラAPIに深く依存しているため、Eclipseのバージョンが上がるとすぐ影響を受けます。
典型的な症状は「@RequiredArgsConstructorなどのアノテーションを付けたクラスでインポート整理を実行すると必要なimport文が削除される」というものです。コンパイルエラーが増えてしまい、地味に開発の邪魔になりますよね。
メソッドの呼び出し階層が正しく検索されない
「呼び出し階層を開く」でメソッドの呼び出し元を調べても実際と異なる呼び出し元が表示される場合があります。これはEclipseのインデックスが壊れているサインであることが多いです。
コード補完やインデックスの挙動が不安定
コード補完の候補が出るまで時間がかかったり、型が認識されずに補完が壊れたりするケースも報告されています。いずれもインデックス破損が絡んでいることが多いです。
原因① macOS+Eclipse 2025-06の相性問題
Eclipse 2025-06で変更された内部仕様
Eclipse 2025-06(4.35)ではJDT(Javaデベロッパーツール)の内部処理とバックグラウンドジョブの管理方法が一部変更されました。この変更がmacOSのスレッド管理やファイルシステムとの相性に影響していると考えられています。
macOSのJava環境(JDKバージョン)との相性
macOSでEclipseを動かす際システムにインストールされているJDKのバージョンとEclipseが要求するバージョンがずれていると不安定になることがあります。
Eclipse 2025-06はJava 21以上を推奨していますが、開発プロジェクトの都合でJava 17や11を使っている場合設定の食い違いがフリーズや誤動作を引き起こすことがあります。
Apple Silicon / Intel Macで起こる違い
Apple Silicon(M1, M2 …)のMacでARM版JDKとx86版JDKを混在させている場合、Rosaettaを経由した処理で予期しない遅延が発生することがあります。
一方Intel Macでは主にメモリ不足やGC(ガベージコレクション)の停止が原因になりやすいです。自分のMacがどちらか確認した上で対処法を選ぶとより効果的です。
EclipseとJavaの処理に限らずmacOS自体がCPU高負荷になるケースもあります。ANECompilerServiceやmsd_storesが原因の場合については別記事で解説しています。
原因② LombokとEclipseの互換性問題
LombokがEclipse内部APIに依存している理由
Lombokはコンパイル時にソースコードを変換するため、EclipseのJDT(内部コンパイラAPI)に直接フックして動作します。
このため、Eclipseのマイナーバージョンが上がっただけでも内部APIが変わり、Lombokが正常に動作しなくなることがあります。これはLombok固有の問題で仕組み上避けられない宿命のようなものです。
Eclipseアップデート直後に起きやすい不具合
Eclipseを新しいバージョンへアップデートした直後、古いバージョン向けのLombokがそのまま残っていると互換性の問題が発生します。
「アップデートしたら急にエラーが増えた」という場合は、まずLombokのバージョンを疑ってみましょう。
Lombokのバージョン確認方法
現在使用しているLombokはeclipse.iniで確認できます。デフォルトだと下記のような形だと思います。
cat /Applications/Eclipse_2025-06.app/Contents/Eclipse/eclipse.ini | grep lombok
-javaagent:lombok.jar
この場合、Eclipseの実行ファイルと同じ場所(Contents/MacOS内)にあります。
java -jar /Applications/Eclipse_2025-06.app/Contents/MacOS/lombok.jar --version
v1.18.38 "Envious Ferret"
v1.18.38 "Envious Ferret"
原因③ Eclipseのインデックス破損
インデックスが壊れると何が起こるのか
Eclipseはプロジェクト内のクラス・メソッド・変数などの情報をワークスペース内のインデックスファイル(.metadata配下)に保存しています。
このインデックスが何らかの原因で破損すると「コード補完・検索・呼び出し階層のを開く」などの機能が正常に動かなくなります。
呼び出し階層や検索が壊れる理由
インデックスが古いまま、または壊れた状態だとEclipseはクラスの依存関係を正しく把握できません。その結果、呼び出し元・呼び出し先の検索結果が空になったり、削除済みのクラスが検索結果に残り続けるといった現象が起きます。
Eclipse 2025-06のまま使う場合の対処法
Eclipse 2025-06は不安定な要素が多いので別のバージョンに変更するほうが良いですが、このままのバージョンで使い続ける場合は以下のようなことを実施してみるとよいと思います。
Auto Saveを有効にして作業ロスを防ぐ
完全フリーズは根本解決が難しいケースもあるため強制終了時の被害を最小限にすることも重要な対策です。EclipseにはAuto Save(自動保存)機能があるので一定間隔でファイルを自動保存できます。
設定は Eclipse > 設定 > 一般 > エディター > 自動保存 から有効化します。
- 編集中のエディターの自動保存を使用可能にする にチェックを入れる
- 編集中のエディターの自動保存間隔を調整します。60秒程度がいいかもしれません。デフォルトは20秒です。
⚠️ 注意 自動保存はあくまで「被害を減らす」ための設定です。フリーズ自体を解消するものではないため、後述のメモリ設定やJDK変更と合わせて対処することをおすすめします。
Eclipse.iniのメモリ設定を見直す
Eclipseに割り当てるメモリが少ないと大きなプロジェクトでGC(ガベージコレクション)が頻発してフリーズの原因になるようです。
eclipse.iniを開き、以下の値を調整(おそらく記載がないので追加)します。
vim /Applications/Eclipse_2025-06.app/Contents/Eclipse/eclipse.ini
# 追加/調整する項目
-Xms512m
-Xmx4096m
-Xmx(最大ヒープサイズ)は搭載メモリの4分の1〜半分程度を目安に設定してください。16GBのMacであれば 4096m(4GB)が現実的な値です。
⚠️ 注意 eclipse.ini を直接編集するため、誤った記述をするとEclipseが起動しなくなることがあります。編集前に元のファイルをバックアップしておいてください。
JDKバージョンを安定版に変更する
Eclipse 2025-06 に推奨されるJDKは Java 21 LTS です。
macOSで複数のJDKが混在している場合は java_home コマンドでバージョンを確認・切り替えられます。
/usr/libexec/java_home -V
Matching Java Virtual Machines (2):
18.0.2.1 (arm64) "Eclipse Adoptium" - "OpenJDK 18.0.2.1" /Users/*****/Library/Java/JavaVirtualMachines/temurin-18.0.2.1/Contents/Home
1.8.0_312 (x86_64) "Eclipse Temurin" - "Eclipse Temurin 8" /Users/*****/Library/Java/JavaVirtualMachines/temurin-8.jdk/Contents/Home
/Users/*****/Library/Java/JavaVirtualMachines/temurin-18.0.2.1/Contents/Home
筆者のマシンにはJDK 21がなかったのでインストールしてみることにします。Eclipse Temurin(旧AdoptOpenJDK)からダウンロードしてインストールすることにします。
Matching Java Virtual Machines (4):
21.0.10 (arm64) "Eclipse Adoptium" - "OpenJDK 21.0.10" /Library/Java/JavaVirtualMachines/temurin-21.jdk/Contents/Home
18.0.2.1 (arm64) "Eclipse Adoptium" - "OpenJDK 18.0.2.1" /Users/*****/Library/Java/JavaVirtualMachines/temurin-18.0.2.1/Contents/Home
1.8.0_312 (x86_64) "Eclipse Temurin" - "Eclipse Temurin 8" /Users/*****/Library/Java/JavaVirtualMachines/temurin-8.jdk/Contents/Home
/Library/Java/JavaVirtualMachines/temurin-21.jdk/Contents/Home
21.0.10 (arm64) がインストールできました。(x86_64がインストールされてしまった場合、実行速度的にあまり速くないかもしれません)
インストーラーでインストールした場合、実行するJavaのバージョンも書き換えてくれていました。
/usr/libexec/java_home
/Library/Java/JavaVirtualMachines/temurin-21.jdk/Contents/Home
ワークスペースのインデックス再構築手順
インデックスの再構築は以下の手順で実行できます。
- ワークスペースのリフレッシュ
プロジェクトエクスプローラーで全プロジェクトを選択し 右クリック > リフレッシュ を実行します。 - プロジェクトのクリーン
メニュー > プロジェクト > クリーン を選択し すべてのプロジェクトをクリーン を選んでOKをクリックします。
Lombokの最新版を適用する
Lombokの公式サイトから最新版のlombok.jarをダウンロードし、既存のlombok.jarに上書きします。
⚠️ 注意 Lombokの再インストール後は必ずEclipseを完全に終了し、再起動してください。再起動しないと変更が反映されません。
別バージョンのEclipseに変更する
過去バージョンだとEclipse 2024-12 や 2024-09 はmacOSとの相性が比較的安定していると報告されています。筆者の場合は 2025-12 に変えてみて特に問題なく使用することができています。
インストールしなおすことができるのであれば別バージョンを使うことをお勧めします。
Eclipseを再インストールしてクリーンな環境が整ったら開発環境のSSL対応も一緒に見直してみるのがおすすめです。
Q&A
- QApple SiliconのMacとIntel Macで対処法は変わる?
- A
基本的な対処法は同じですがApple Siliconの場合はJDKをARM64ネイティブ版にすることがより重要です。Intel版CPUだとRosetta経由での実行になるのでパフォーマンス面で不利になります。
- QLombokを更新したらプロジェクトのビルドエラーが増えました。
- A
Lombokのバージョン更新時はプロジェクトのクリーンビルド(プロジェクト > クリーン)をセットで実行してください。古いインデックスとの食い違いでエラーが増えることがあります。クリーンビルド後に改善しない場合はLombokのバージョンを一つ前に戻すことも検討してください。
- Qeclipse.iniを編集したらEclipseが起動しなくなりました。
- A
バックアップから元のeclipse.iniに戻してください。バックアップがない場合はPleiades All in Oneを再インストールすることで初期状態のeclipse.iniが復元されます。
- QPleiades以外の通常版Eclipseでも同じ症状が起きますか?
- A
Pleiadesに限らずmacOS上のEclipse 2025-06全般で起きる可能性があります。Lombokのインストール方法やeclipse.iniの場所が異なりますが、対処法の考え方は同じです。
まとめ|macOS+Eclipse 2025-06の不具合は環境要因が多い
今回のポイントまとめ
- macOS+Eclipse 2025-06のフリーズや誤動作は「インデックス破損」「Lombok非互換」「JDK設定のミスマッチ」が主な原因だよ。
- 完全フリーズは待っても回復しないのでまず自動保存を有効にして作業ロスを減らしてね。
- Lombokを最新版に更新しクリーンビルドを実行してみるのが手だよ。
- Eclipseのメモリ使用量を増やすことでフリーズが軽減されることもあるよ。
- Apple SiliconのMacはARM64ネイティブのJDKを使うと安定しやすいよ。
- それでも解決しない場合はEclipse 2024系へのダウングレードも有効な選択肢だよ。
安定したEclipse開発環境を作るコツ
- メジャーリリース直後(特に.06リリース)は不具合が出やすい傾向があるよ。安定性を優先するなら数ヶ月待つのも手だよ。
- eclipse.iniのメモリ設定はデフォルトのままだと低めになっているから一度確認してみる価値があるよ。
- ワークスペースは定期的にバックアップを取っておくと、いざというときに安心です。



